ひびの入ったフリーカップの金継ぎ方法 2/2 完成まで

本漆金継ぎ

 

size19

ファイツ!

 

※ 口元からひびの入ったフリーカップの金継ぎのやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎ修理の工程のうち〈錆漆の研ぎ~蒔絵完成〉までのやり方を解説していきます。
※ かなり端折っています。すみません。

 

step 01 錆漆の削り・研ぎ


錆漆の削り研ぎで使う道具: 彫刻刀(平丸)

金継ぎの錆漆工程で行ったものがきちんと固まった。錆漆が乾いたらマスキングテープを剥がします。

マスキングテープの厚み分、錆漆が厚く付いています。

金継ぎの錆漆が乾いたのでマスキングテープをはがす。

マスキングテープの厚み分、錆漆が少し盛り上がっている部分があります。

錆漆が乾いたら刃物で削っていく。金継ぎの工程はゆっくりと進めていく。

それでは錆漆を刃物を使って削ります。

前回の金継ぎの錆漆工程で固まって少し出っ張っている錆漆を彫刻刀で削る。

彫刻刀を使って錆漆を削っていきます。
一気に削ろうとはせずに、少しづつ削っていってください。

金継ぎの錆漆の削り作業では彫刻刀の刃は進む方向に対して斜めにする

彫刻刀ですが進む方向に対して少し斜めに構えてそのままスライドさせるように
した方が、抵抗が少なくきれいに削れます。(ような気がします)

金継ぎの錆漆の削り作業が完了した。器の外側。

勢いあまって、口元の小さな欠け部分の錆漆も取れてしましました。

ので、そこはこの後もう一度錆漆を付けます。

器の内側の錆漆も彫刻刀で削っていく。金継ぎ工程の錆漆削り。

器の内側の錆漆削りも完了です。
その後、耐水ペーパーに水をつけ、軽く研いで錆漆の肌を慣らしておきます。

 

step 02 漆の下塗り


いつも塗り以降は端折ってしまいます。
塗るだけだしなーと思ってしまって。特に伝えるコンテンツもないか…と。

でも考えてみたら、筆の洗い方とか漆の濾し方とかいろいろありますね。
次回、画像を撮っておきます。

金継ぎのやり方で漆を塗っていく。

金継ぎ工程の漆の下塗り…

私は下塗りは黒い漆(呂色)を塗ります。上塗りでは赤漆を塗るつもりなので、その下は黒い色でやっておくと上塗りしたとき見やすくなります。
上塗り時、ラインのエッジぎりぎりのところなんかは塗ったつもりでいても塗れていないことがままあるので。それを防ぐにはいいかなと。

下塗りは
塗り→研ぎ→塗り→研ぎ→…と3回くらいは繰り返します。
平滑な面ときれいなラインを作っていきます。

研ぎは耐水ペーパー#800くらいで、水研ぎします。(水をつけながら研ぐ)

 

step 03 漆の上塗り


漆の上塗りをやっていく金継ぎの蒔絵前の工程。

金継ぎ工程の上塗りです。薄く、均一になるように塗ってください。なるべく。

器の内側にも漆の上塗りを施す金継ぎの塗り工程。

今回は金粉仕上げなので赤漆(弁柄うるし)で上塗りをおこないました。

全体に漆を塗ったら最後に、縦、横と筆を通してください。
(と言われても、よくわかりませんよね。いずれ図示します。
が、イラストレーターは持っていなくて、さらにスキャナーも
なぜか接続できないのでしばらく図示できなそうです。
かなりPC苦手です)

 

step 04 蒔絵→完成


ひびの入った器の金継ぎが完成しました

金粉を蒔きます

蒔くと言っても私が使うのは2号粉(細かめ)なので
ストローのようなものでパラパラ蒔くわけではありません。
あれを使うのはもっとお大きな金粉の時です。

金粉を真綿に付けて蒔きます。
ふわっとやさしく上塗りした場所をなでます。

ふわっとです。ごしごししたらダメです。

画像がありません。済みません。

これで蒔絵まで完了です。

蒔絵をした後、湿度のある風呂に入れて(湿度70%くらいでしょうか)じっくり乾かします。余裕があれば1週間くらい。

この後、定着しなかった金粉を柔らかい穂先の筆を使って払います。

<紛固め>  ▸ 粉固め作業

生漆にテレピンを2~3割入れて希釈します。
細い筆にそれを含ませ、丁寧に金粉を蒔いた上をなぞります。やさしく。

そのあとティッシュでやさしく上から押さえて、染み込まなかった生漆を吸い取ります。何度も上から押さえて(押さえるたびにティッシュの使う面をかえてください。じゃないと周りが汚れますので。

湿した風呂に入れて3日くらい乾かしてください。

紛磨き

東急ハンズや彫金屋さんで売っているメノウ棒を使うか、鯛牙などで磨きます。

完成

 

ひびの入ったカップを金粉仕上げの蒔絵で仕上げました。

壊れた器の金継ぎの修理が終わりました。

ひびの入った器の金継ぎが完成しました。

 

 

前の作業工程を見る ▸ ① 錆付けまで