割れた角谷啓男さん竹筒カップの金継ぎ方法(極詳述) 3/6 刻苧漆の充填

本漆金継ぎ

金継ぎ修理の方法。刻苧埋め。

※ 割れたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

刻苧漆の充填の方法


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使う道具・材料(▸  刻苧漆の充填で使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: プラスチック箆、刻苧(こくそ)箆(▸ 刻苧箆の作り方
  • 材料: 生漆、小麦粉、水、木粉

↑の材料を使って穴に埋めるパテ状のものを作ります。
  ▸ 刻苧漆の作り方

※ このページも刻苧漆の使い方を詳しく説明していますが、もうちょい(くどいくらいに)説明したページを作りました。ご興味のある方は覗いてみてください。
 ▸ 刻苧漆のつけ方・使い方

金継ぎの修理方法。刻苧箆に刻苧漆を少量取る。

まずはちょっとした隙間を埋めていきます。
刻苧漆と錆漆の使い分けはどうゆう感じですか?--はい、それはですね、
どちらでも構いませんが、隙間が深い場合は刻苧漆を、
浅い場合は錆漆でという感じでしょうか。
隙間が器の内側まで貫通している場合は刻苧漆で充填することをお勧めします。

金継ぎの修理方法。破片同士を接着した際にできた隙間に刻苧漆を詰めていく。

少量の刻苧漆を箆にとって、隙間にしっかり詰めていきます。
力を入れる必要はありませんが、ついつい入ってしまいます。

貫通した小さい隙間を刻苧漆で埋める。まずはサランラップを用意する。

上画像の小さいほうの隙間部分を刻苧漆で成形します。
サランラップを左手に持ち、器の外側から当てます。

金継ぎの修理方法。サランラップを左手に持って、外側から刻苧漆を詰める穴を押さえる

この後、内側から刻苧漆を詰めていくのですが、
その刻苧漆が表側に飛び出るのを防ぎつつ、外側からも「圧」を加えます。
念力。

金継ぎの修理方法。刻苧漆を刻苧箆で少量とる。

刻苧箆に少量の刻苧漆をとります。

刻苧箆で隙間に詰めていく。

器外側からはサランラップで堰き止めつつ、
内側から刻苧箆で押し込んでいきます。

金継ぎの修理方法。器の外が側からはサランラップで押さえて、内側からは箆で押し込んでいきます。

隙間ができないようにしっかり押し込みます。
刻苧漆がぜんぜん足りていません。

金継ぎの修理方法。刻苧漆をどんどん充填していく。

どんどん刻苧漆を詰めていきます。

刻苧漆を盛ったら、箆でしっかり押さえる。隙間ができないように注意する。

箆で押し込む押し込む…

金継ぎの修理方法。内側からはしっかり隙間なく刻苧漆が詰まっている。

内側から見るとしっかり詰まっています。が…

金継ぎの修理方法。器の外側からチェックすると隙間が空いている。

器の外側はまだスカスカ隙間があります。

金継ぎの修理方法。今度は内側からサランラップを当てる。

今度は内側からサランラップを当てて「圧」をかけます。

割れた器の金継ぎ修理。今度は外側から刻苧を盛っていく。

刻苧漆を充填します。

割れた器の金継ぎ修理。刻苧漆を盛ったら、刻苧箆で押さえる。

周りのピースとの隙間がなくなるように刻苧箆で詰めていきます。

割れた器の金継ぎ修理。しっかり押さえて隙間がないようにする。

でけました。

小さい隙間の刻苧漆の充填終了です。

鳩屋さん、まだ刻苧漆がへこんでるじゃないですか。
はい、へこんでいます。これはですね、一回で刻苧漆を厚盛すると乾きが悪いのです。なので今回は2回に分けて盛ります。急がば回れであります。

一回の盛り厚は…5㎜くらいというところでしょうか?

 

割れた器の金継ぎ方法。欠けてなくなってしまった破片を刻苧漆で成形していきます。

こちらの欠けは刻苧漆で形を作っていきます。ちょい難易度が高くなります。
かのように見えますが、そうでもないのでチャレンジしてみてください。

こちらもサランラップにアシストしてもらいます。
器の外側からサランラップを当てます。

割れた器の金継ぎ修理方法。器の外側からサランラップで押さえて、内側から刻苧漆を盛っていきます。

器の内側から刻苧漆を詰めていきます。

器の内側から刻苧漆を刻苧箆でもりもり盛っていきます。

外側からはサランラップで押さえつつ、内側から刻苧箆で押し込んでいきます。

割れた器の金継ぎ修理。刻苧漆を盛って、刻苧箆で隙間がないようにしっかり押し込めます。

さらに刻苧漆を盛って、詰めます。

金継ぎの方法。刻苧箆で押さえます。器の外側からはサランラップで押さえます。

さらに盛ります。ただし厚盛しないように気を付けます。

割れた器の金継ぎ方法。今度は器の内側からサランラップで押さえます。

今度は内側からサランラップで押さえます。

器の外側から刻苧を盛って、箆で押さえます。

隙間ができないように、刻苧箆でしっかり詰めていきます。

金継ぎ方法。刻苧漆を盛って、箆で隙間がなくなるように押さえます。押し込めます。

もうちょい刻苧漆を盛りました。

割れた器の金継ぎ方法。ぐるっとサランラップを内側から外側まで巻いてその上から指で押さえます。

最後の仕上げはサランラップを内側から外側へと巻いて、
指で押さえつつ形をつくります。

割れた器の金継ぎ修理方法。指で押さえつつ、形を作っていきます。

指でつまんで形を作ります。

割れた器の金継ぎ方法。刻苧の充填一回目終了です。

ちょっと不格好ですが、盛りすぎ注意ということで
今回はこのくらいで許してあげましょう。

割れた器の金継ぎ修理。刻苧の充填一回目終了です。

1~2週間置いて刻苧漆をしっかり乾かします。
特に湿した場所に置く必要はありません。

そのあともう一度刻苧漆を盛ります。

 

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