割れた角谷啓男さん竹筒カップの金継ぎ方法(詳述) 2/6 ~麦漆削りまで

本漆金継ぎ

金継ぎ修理の方法。麦漆接着のやり方。

※ 口元が割れたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈麦漆で接着~はみ出した接着剤を削るまで〉のやり方を解説していきます。

 

step 01 麦漆の接着


 金継ぎの麦漆接着で使う道具・材料

漆を使って接着剤を作ります。 ▸ 麦漆の詳しい作り方

金継ぎ工程の麦漆を塗布する前にあらかじめどのパーツがどの部分に来るか確認しておきます。

できれば接着する順番に並べておいた方が、
あとで「これどこだったっけ?」と焦らずに済みます。

金継ぎ修理工程。麦漆を箆で塗っていく。

 麦漆はなるべく薄くつけていきます。

割れた器の金継ぎ方法。麦漆はなるべく薄くなるように付けていく。

 麦漆の厚み分、接着した時にズレが大きくなります。
ので薄目につけます。

割れた器の金継ぎ方法。麦漆の塗り忘れがないように気を付ける。

 接着する断面すべてに麦漆を付けていきます。

割れた器の金継ぎ方法。本体の方の麦漆塗布が完了

 本体の麦漆の塗布が完了しました。
塗り残しがないかチェックします。

 

割れた器の金継ぎ方法。割れた破片の方にも麦漆を塗っていく。

 続いて割れた破片の方にも麦漆を付けていきます。

金継ぎ修理工程。破片に麦漆を塗っていく。なるべく薄く。

 こちらも同様に麦漆は薄くつけていきます。

割れた器の金継ぎ方法。破片の方の麦漆塗布が完了

 破片の方の麦漆塗布が終わりました。

 

麦漆の塗布が完了した破片を持ち運びやすいように板の上に置く。

 持ち運びがしやすいように板の上に破片を乗せます。

このあと湿した(湿度65%~)場所に置いて麦漆に乾くきっかけを与えます。
「ほれ、乾け」とおしりを叩く感じです。

今回は30~40分くらい湿し風呂に入れておきました。

金継ぎ修理工程。乾き始めた麦漆。

 少し乾き始めた麦漆の表情です。

乾き始めた麦漆は表面から少し艶が引けてマットになる。ほんのちょっと。

 麦漆表面の艶が引けて、少しマットになっています。

金継ぎの接着工程です。

割れた器の金継ぎ方法。本体に割れたピースを嵌めていく。

 接着します。

割れた器の金継ぎ方法。破片をしっかり押し込む。ぐりぐり押し込んで麦漆がはみ出るようにする。

しっかり押し込みます。少しぐりぐり動かして入り込むようにします。

金継ぎ修理工程。さらに小さい破片を接着していく。

次の小さい破片をくっつけていきます。

破片をぐりぐり押し込んで、麦漆がはみ出るようにする。

隙間がなくなるようにぐりぐり押し込みます。

金継ぎ修理工程。全部の破片をくっつけてから微妙なずれを修正していく

全てのピースがくっついた段階で一つ一つの破片のズレを修正していきます。

ひとつのピースを修正するとその隣がズレてしまい、そのずれを直しているとまた別の破片がズレてしまい…ある程度うまく収まればよしとします。

この後、麦漆の乾きに2週間くらいを見ておきます。

 

step 02 麦漆の削り


麦漆の削りで使う道具と材料

  • 道具: 彫刻刀など

 金継ぎ修理工程。彫刻刀などではみ出した麦漆を削っていく。

接着したときにはみ出してきた麦漆を削っていきます。

金継ぎ修理工程。彫刻刀などではみ出した麦漆を削っていく。

彫刻刀の刃は進行方向に対して斜めに当てて使います。
なぜ?その方が抵抗が少ないから。(でいいのかしら?)

金継ぎ修理工程。彫刻刀などではみ出した麦漆を削っていく。器の内側も。

 器の内側の麦漆も削ります。

金継ぎ修理工程。彫刻刀などではみ出した麦漆を削っていく。

 ズリズリ削ります。削り忘れがないようにチェックします。

 

 

次の工程を見る ▸ ③ 刻苧漆の充填

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その他の工程